来るモノ・行くモノを通して考えるアフリカと日本

来るモノ・行くモノを通して考えるアフリカと日本

¥ 1,000
遠いようで近いアフリカと日本。私たちが日々よく目にする身近な「もの」の中にも、アフリカから来たものがあります。一方、アフリカの人々が日々目にするものの中にも、日本から来たものがあります。アフリカと日本の間を行き交う「もの」を探っていくと、アフリカと日本、世界の関係の「過去」と「いま」が見えてきます。日本とアフリカの政府間会合「TICAD8」が開催される今年、「もの」を通じたアフリカと日本の市民の「新しいつながり方」を考えてみませんか。

●2022年4月~6月
●木曜日19:00~21:00
●全5回
●開催形式:オンライン(zoom)
●受講料:各回1,000 円

※どなたでも1回からご参加いただけます。
※詳しい参加方法は、お申し込み・入金まで完了された方に、開催日前日の18:00までにご案内いたします。それ以降お申し込みの方は開催までに参加リンクの送信が間に合わない場合がありますのであらかじめご了承ください。
※当日参加が前提ですが、後日のアーカイブ視聴も予定しています。ただし、講師の事情等によって録画の一部または全部の共有ができない場合もありますことをあらかじめご了承ください。

共催:特定非営利活動法人 アフリカ日本協議会(AJF)

《申し込み方法》
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詳細情報

●コーディネーター:

津山直子(アフリカ日本協議会 共同代表)
南アフリカ・アパルトヘイト撤廃の国際連帯運動に関わり、1988-92年ANC(アフリカ民族会議)駐日代表部勤務。1992-2009年は日本国際ボランティアセンター(JVC)南アフリカ代表で、農村やスラム地区で教育・地域復興などに携わる。帰国後、大学講師など。現在、明治学院大学国際平和研究所研究員も務める。

 

玉井 隆(アフリカ日本協議会 共同代表/東洋学園大学 准教授)

2015年東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学。同年博士号(学術)取得。在ナイジェリア日本大使館・専門調査員、立命館大学生存学研究センター・客員研究員、亀田医療大学非常勤講師などを経て、現在(特活)アフリカ日本協議会・代表理事、東洋学園大学准教授、慶應義塾大学文学部非常勤講師。著書に『治療を渡り歩く人びと』(風響社、2020年)など。
 

 

稲場雅紀(アフリカ日本協議会 国際保健ディレクター)
90年代、横浜の日雇労働者の街・寿町での医療・生活相談活動や、LGBTの人権の確立に関わり、2002年からアフリカ日本協議会でエイズの課題や国際保健政策、海外の多様な市民社会との連携・協働に取り組む。共著書に、南博・稲場雅紀『SDGs 危機の時代の羅針盤』(岩波新書 2020)、木戸衛一編『「対テロ戦争」と現代世界』(御茶の水書房 2006)など。

  

 

●講座日程:

※各回単発でお申し込みいただけます。入学金は不要です。

 

4月14日
タコ:スーパーの定番商品「モロッコ」「モーリタニア」産のタコから見えるもの

世界最大のタコ消費国、日本。輸入タコの約3割を占める、アフリカ北西部「モロッコ産」のタコは、実は50年近くにわたってモロッコの占領下にある西サハラ沖合でとれたもの。スーパーで「モロッコ産」のタコを買うことが、占領への加担につながる現実がある。一方、輸入タコの4割を占めるモーリタニアは日本との協力でタコを輸出産業としてきた。その経緯と課題も学ぶ。

岩崎有一(ジャーナリスト(アジアプレス))

○参考文献:

岩崎有一「タコで追う『西サハラ』問題―築地から“アフリカ最後の植民地”へ」Yahooニュース 2019年1月15日

岩崎有一「西サハラ 砂とマグロと解放闘争」『世界』8月号 岩波書店 2020

箱山富美子(元ユニセフ職員/元藤女子大学教授)
○主著:

「マルチ人間のすすめ」『国際公務員入門』東洋経済新報社 1995

「Land Utilization System in Burkina Faso: A Case Study in Ziniaré」『SANITATION VALUE CHAIN』第1巻 第1号 サニテーションプロジェクト、総合地球環境学研究所 2017
○参考文献:酒本恵三「モーリタニアを救った日本人=タコ漁を教えた中村正明さん=サンパウロ市在住」JORNALニッケイ新聞 2020年9月2日

 


4月28日
チョコレートやドライフルーツ: アフリカの生産者とつながる「食料主権」

生産・加工・流通・消費のフードシステムがより複雑になっている中で、何を生産し、食べるかを自分たちで選ぶ「食料主権」という考え方があります。アフリカの生産者とつながり、オーガニックなチョコレートやお茶、ドライフルーツ、はちみつなどを、公正で対等な関係の下に輸入している「アフリカンスクエアー」の食品担当者が、「食料主権」の考え方を軸にアフリカの食品の価値や魅力について語る。
稲川義隆(アフリカンスクエアー 取締役食品部部長)
在日アフリカ人ゲスト:Rabemanolontsoa Harifara(ラベマノルンツ ハリファラ)(京都大学研究員/マダガスカル出身)

○参考サイト:
アフリカンスクエアーHP
ショコラマダガスカルHP
ラティチュードクラフトチョコレートHP
 


5月19日
アフリカビジネス動向と銚子のサバ等水産物輸出について(予定)

国産サバの輸出が増えている。ナイジェリアやガーナなどアフリカでの需要が急増しているためで、日本一の水揚げ量を誇る銚子港でもサバは主要な輸出品だ。日本とアフリカの海産物によるつながり、サプライチェーンや現地での消費動向を知る。調理方法や人気のサバ缶についても紹介する。

佐藤 丈治(JETRO海外調査部中東アフリカ課 課長)(予定)
在日アフリカ人ゲスト:Kamara Anna(カマラ アナ)(西アフリカ出身)

 

 

5月26日
アフリカンアート:固定観念や西欧中心的な価値観を超えた結びつきを目指して

とくに1990年代半ば以降、「伝統的」な仮面から「現代」アートまで多様なアフリカンアートが日本でも展示されたり販売されたりするようになり、多くの人を魅了してきた。他方で、多様なアートとはいえ、欧米経由のものや、日本側の固定的なアフリカのイメージに沿ったものばかりが受容される傾向も根強くある。こうした現状をふまえ、アフリカンアートを通じてアフリカと日本をつなげる実践を、具体的な事例を通じて紹介したい。
緒方しらべ(京都精華大学国際文化学部・グローバルスタディーズ学科 講師)
○主著:「アートに価値を見出すということ:アフリカの生活世界におけるアートから考える」『アフリカからアートを売り込む:企業×研究』水声社 2021/「こんなことはいくらでもあったし、これからもある:ナイジェリアの都市で暮らす人びととパンデミック」『新型コロナウイルス感染症と人類学:パンデミックとともに考える』水声社 2021
○参考文献:柳沢史明・緒方しらべ共編著『アフリカからアートを売り込む:企業×研究』水声社 2021/『アフリカ美術の人類学:ナイジェリアで生きるアーティストとアートのありかた』清水弘文堂書房 2017


6月9日
まとめ:ものでつながるアフリカと日本:双方の市民がつくるオルタナティブな関係

アフリカと日本の関係は、南北格差を前提とした不公正な関係からいまだに脱却できていない。その一方、市民同士の対等な関係を目指す取り組みも進む。人口減や産業衰退に悩む日本の地方自治体と、力を増すアフリカとの新たな関係も生まれている。今夏開催予定の政府間会合「TICAD」を前に、市民同士が作るオルタナティブを探る。
津山直子(アフリカ日本協議会 共同代表)
玉井 隆(アフリカ日本協議会 共同代表/東洋学園大学 准教授)
稲場雅紀(アフリカ日本協議会 国際保健ディレクター)