• 01.民主主義の修復へ

    ―グローバルな危機を乗り越えるために

    ●全9回 ●受講料:22,000円〈U25割:5,000円〉

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    01民主主義の修復へ―グローバルな危機を乗り越えるために

    01民主主義の修復へ―グローバルな危機を乗り越えるために

    ¥ 5,000 - ¥ 32,000
    新自由主義に基づく市場経済は多くの国で貧困や格差をもたらし、一握りの人による富の独占を可能にし続けています。同時に、移民や戦争、生活苦などを背景に排外主義や極右勢力の台頭、そして人権・多様性へのバックラッシュも起こっています。民主主義のあり方が大きく揺らぐ今、米国大統領選や欧州政治の現状などから世界を読み解き、日本の私たちの課題を考えます。
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    近日公開
  • 1980年代から現在に至る新自由主義に基づく市場経済は、各国・各地域で格差や地域経済の衰退をもたらしました。一方、人権・多様性などの政策は当事者や国際市民社会の努力によって一歩ずつ進んできました。これら総体への反作用として、極右勢力や権威主義的な政治、そして人権・多様性へのバックラッシュも横行しています。加えて、テクノロジーの発達によってネット空間では偽情報や他者への攻撃があふれ、私たちがよりどころとする民主主義は絶えず揺らいできました。その動きが最も鮮烈に現れているのが、欧州における排外右派勢力の台頭、そして2024年の米国大統領選でのトランプ復帰でしょう。米国での変化は、気候危機対策や援助、軍事・外交など多くの国際ルールや多国間協調の枠組みにこれまで以上に大きな亀裂を引き起こしています。こうした中、日本の私たちはどのような視点を持って現状を分析し、一市民として日本社会・国際社会にコミットしていくべきでしょうか。民主主義の弱点も理解しながら、リアルな現実社会の日常、活動の中からできることを皆さんで学びあいましょう。講座ではグループに分かれ意見交換をする回もあります。皆さんの積極的な参加を期待しています。

    ●2025年6月~11月 ●原則、金曜日19:00~21:00 ●全10回

    ●開催形式:原則、オンライン(zoom)

    ※講座の後半では、グループにわかれて意見交換を行う予定です。

    【講座アーカイブ配信・配布資料の閲覧サービスについて】

    当日参加を推奨しますが、講座終了後、講義内容の録画の視聴および配布資料について、インターネットでご覧いただくことができます(受講生限定公開。原則、2025年度内に限る)。復習や欠席された際にぜひご活用ください。ただし、講師の事情ならびに運営上の都合等によって録画および配布資料の一部または全部の共有ができない場合もあります。予めご了承ください。

    ●受講料:22,000円〈U25割:5,000円〉

    ※初めて自由学校連続講座を受講される方は別途入学金10,000円が必要となります

    ※【若者応援!U25割】25歳以下の方は受講料5,000円、入学金免除で受講いただけます。該当する方は、お申し込みの際「U25割(25歳以下)」を選択してください。

    ●申し込み方法

    上記の「選択する」から該当するものを選択し「申し込む」ボタンを押すと申し込み画面に進みます。

    ※講座の詳細は、お申し込み・入金まで完了された方に開講日2週間前頃になりましたらご案内いたします。

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    ●コーディネーター:内田聖子(PARC共同代表)

    貿易・デジタル分野を中心に調査研究・政策提言を行う。杉並区政にも関わる。著書に『デジタル・デモクラシー ビッグ・テックを包囲するグローバル市民社会』地平社 2024、編著に『自由貿易は私たちを幸せにするのか?』コモンズ 2017/『コロナ危機と未来の選択―気候正義・格差是正・民主主義への10の提言』コモンズ 2021

  • ●プログラム

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    6/20(金)

    「トランプは原因でなく結果である」――米国地殻変動の思想史と米国民の選択

    会田弘継(ジャーナリスト/思想史家)

    トランプ2.0で混乱する米国政治。これまでの政策の大転換で社会のさらなる分断が懸念され、世界への影響も甚大です。その源流はどこにあるのか。米国と国際政治・経済の歴史から読み解き、今の状況を深く分析していただきます。

    ●主著:『それでもなぜ、トランプは支持されるのか』東洋経済新報社 2024/『破綻するアメリカ』岩波現代全書 2017

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    7/4(金)

    ガザ危機が問う欧米のダブルスタンダードとリベラルの課題

    三牧聖子(同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授)

    ガザでパレスチナ人の大量虐殺が行われる中、欧米は人権を謳いながらイスラエルへの支援をやめず、虐殺を黙認してきました。そのダブルスタンダードと国際的な「法の支配」の危機、そしてリベラルの課題を考えます。

    ●主著:『戦争違法化運動の時代―「危機の20年」のアメリカ国際関係思想』名古屋大学出版会 2014/『Z世代のアメリカ』NHK出版新書 2023

    ●参考文献:三牧聖子・内藤正典『自壊する欧米―ガザ危機が問うダブルスタンダード』集英社新書 2024/三牧聖子・竹田ダニエル『アメリカの未解決問題』集英社新書 2025

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    7/18(金)

    移民・経済・戦争――揺らぐドイツ政治と欧州の行方

    板橋拓己(東京大学大学院法学政治学研究科教授)

    ウクライナ戦争や移民政策、経済の低迷など、欧州政治は大きな岐路に直面する中、排外右派勢力の台頭によって民主主義も揺らいでいます。欧州の目指す価値はどこへ向かうのか。ドイツ政治のリアルから読み解きます。

    ●主著:『分断の克服1989-1990』中公選書 2022/『黒いヨーロッパ』吉田書店 2016

    ●参考文献:細谷雄一編『ウクライナ戦争とヨーロッパ』東京大学出版会 2023/山崎望編『民主主義に未来はあるのか?』法政大学出版局 2022

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    8/29(金)

    沸騰する地球の未来、公衆衛生の危機への対応―問われる国際協調主義

    井田徹治(ジャーナリスト)

    稲場雅紀(アフリカ⽇本協議会 国際保健部⾨ディレクター/PARC理事)

    私たちにとって喫緊である気候危機と公衆衛生の危機。国際社会が協力して取り組むべき課題が、激変する米国政治の影響で停滞・逆行しています。ここから何をすべきか。日本の役割を含め考えます。

    ●主著:井田徹治『次なるパンデミックを回避せよ 環境破壊と新興感染症』 岩波科学ライブラリー 2021/井田徹治『データで検証 地球の資源 未来はほんとうに大丈夫なのか?』講談社ブルーバックス 2011

    ●主著:稲場雅紀『SDGs 危機の時代の羅針盤』(共著)岩波新書 2020

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    9/5(金)

    テック封建主義を民主化する――公共性・倫理的な技術の可能性

    内田聖子(PARC共同代表)

    今や経済的利益のみならず政治へも大きな影響力を持つようになったビッグ・テック。これに対し、人権や民主主義、倫理と公共性に基づく技術を求める世界の研究者や市民運動を紹介します。

    ●主著:『デジタル・デモクラシー ビッグ・テックを包囲するグローバル市民社会』地平社 2024/『自由貿易は私たちを幸せにするのか?』(共著)コモンズ 2017

  • 9/19(金)

    言論空間をアップデートする――偽情報・ディープフェイクへの対策

    講師調整中

    SNS上の偽情報やディープフェイクが、どの国でも大きな問題となっています。民主主義の根幹である熟議を確保し、安心・安全な言論空間はいかにして可能か? 日本や他国でのルール形成と運用、その課題を考えます。

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    10/3(金)

    韓国・非常戒厳と市民社会の底力

    徐台教(ソ・テギョ)(『コリア・フォーカス』編集長)

    2024年12月の戒厳令は世界に大きな衝撃を与えました。民主化以降の韓国社会の変容、そして戒厳令を乗り越えようとしてきた市民の動きとは? 韓国市民社会の視点から分析し、日本への示唆を含め議論します。

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    10/17(金)

    くじ引き熟議会議は民主主義治療の処方箋になりうるか

    栗田路子(ライター/ジャーナリスト、ベルギー在住)

    選挙による議会制民主主義は、党や利権団体の影響が強く、市民の声を適正に反映できていません。ベルギーなどで実践されている「くじ引き」による市民直接参加の会議体は民主主義を補完しうるでしょうか。

    ●主著:共著統括『夫婦別姓-家族と多様性の各国事情』ちくま文庫 2021/共著統括『コロナ対策―各国リーダーの通信簿』光文社新書 2021

    ●参考文献:德田太郎「市民と熟議する自治体議会:ベルギーにおける熟議委員会制度」名和田是彦・宮﨑伸光編著『地方自治基礎理論の探求:宮﨑伸光の自治体学をめぐって』 法政大学出版局 2025/OECD (2020=2023), “Innovative Citizen Participation and New Democratic Institutions: Catching the Deliberative Wave”, OECD Publishing. (日本ミニ・パブリックス研究フォーラム訳『世界に学ぶミニ・パブリックス:くじ引きと熟議による民主主義のつくりかた』学芸出版社 2023)

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    11/7(金)

    停滞する日本のカギはジェンダーギャップ――モヤモヤを言葉にできる社会へ

    アルテイシア(作家)

    日本で遅々として進まないジェンダー平等と性の多様性。このことが民主主義の実現を阻む大きなネックとなっています。家族、恋愛、仕事などあらゆる面に潜む「ジェンダーの呪い」からすべての人が解放されるためには?

    ●主著:『だったら、あなたもフェミニストじゃない?』講談社 2025/『ヘルジャパンを女が自由に楽しく生き延びる方法』幻冬舎文庫 2024

    ●参考文献:三浦まり『さらば、男性政治』岩波新書 2023

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    11/21(金)

    差別と排除から、共感と共存へ――民主主義への希望を語ろう

    北丸雄二(ジャーナリスト)

    SNSでは論破や攻撃が横行し、政治・経済の世界では単純化された思考が、人間の叡智である法や倫理を凌駕しようとしています。私たちはどこに立ち、どのような言葉で語りかけ、希望を見出していけるのか。皆さんで話し合いましょう。

    ●主著:『愛と差別と友情とLGBTQ+:言葉で闘うアメリカの記録と内在する私たちの正体』人々舎 2021

    ●参考文献:ジェローム・ポーレン著, 北丸雄二訳『LGBTヒストリーブック 絶対に諦めなかった人々の100年の闘い』サウザンブックス社 2019